中学受験って意味あるの?高校受験との違いを知りたい…。
今回は、こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 中学受験と高校受験のメリット・デメリット比較表
- 中学受験するメリット・デメリット
- 中学受験しないメリット・デメリット
この記事を書く僕は、現役医学生。塾なしでの中学受験経験があり、家庭教師としての指導歴は5年以上です。
本記事の執筆者
近年、中学受験の熱が高まっている背景として、公立中学への信頼が下がっていることが挙げられます。
オンライン授業への対応が遅れたことに加え、はっきり言って難関大学の合格者はほとんど中高一貫校の出身者ばかりですよね。
もし悩んでいるなら、多少無理してでも中学受験することをおすすめします。
お金はかかりますが、その分得られるリターンも大きく、実は工夫しだいでなるべく費用を抑えて中学受験に挑むことも可能です。
ということで今回は、中学受験のメリット・デメリットについて、高校受験と比較しながら徹底的に解説していきます!
中学受験と高校受験のメリット・デメリット比較表
まずは、中学受験と高校受験のメリット・デメリットを一覧表でご覧ください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
中学受験 (私立中学) | ①高校受験がない ②大学受験に有利 ③学力がそろっている ④荒れている学校が少ない ⑤先生の異動が少ない ⑥校舎や設備がきれい ⑦強豪校に入学できる ⑧国際交流が活発 | ①モチベーションの維持が難しい ②小学校の友達と離れる ③価値観が似る ④通学時間が長い ⑤習い事を続けにくい ⑥費用がかかる |
高校受験 (公立中学) | ①モチベーションの維持が楽 ②小学校は自由に過ごせる ③小学校からの友達が多い ④いろいろな家庭の子がいる ⑤家から近い ⑥授業は基礎的な内容 ⑦部活動に熱心 ⑧学費がほとんどかからない | ①内申点が重要 ②公立難関高校への合格が難しい ③私立難関校は高校での募集が少ない ④大学受験の難易度が高い ⑤地元の公立中学は荒れているかも ⑥合わなくても退学できない ⑦ほぼ全員部活に入る |
中学受験するかどうかで、子供の人生が変わってくると言っても過言ではありません。
そのため、なんとなく決めるのではなく、しっかりメリット・デメリットを把握することが大切です。
1つ1つの項目を深掘りしていくので長くなりますが、ぜひ最後まで目を通して参考にしてくださいね!
中学受験するメリット8つ
まずは、中学受験するメリットを8つ紹介します。
中学受験のメリット
- 高校受験がない
- 大学受験に有利
- 学力がそろっている
- 荒れている学校が少ない
- 先生の異動が少ない
- 校舎や設備がきれい
- 強豪校に入学できる
- 国際交流が活発
1つずつ深掘りしていきます。
メリット①高校受験がない
1つ目のメリットは、高校受験がないことです。
「いやいや、そんなの当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、高校受験がないという利点は相当大きいです。
高校受験がないため、中学では部活動に思い切り打ち込むこともできますし、受験のためにいったん中断した習い事も再開することができます。
実際、僕も中学時代は週6で部活をして、マイナースポーツですが全国大会に出場することもできました。
また、内申点を気にして先生の顔色をうかがわなくても良いというのは、大きなメリットでしょう。
中学生のうちから大人に媚びを売るような子になってほしくないですよね。
メリット②大学受験に有利
高校受験がないこととも関係するのですが、大学受験を考えると中学受験の方が圧倒的に有利です。
というのも、中高一貫校では先取り学習ができるカリキュラムになっているからで、中学2年生が終わるころには高校の範囲に取り掛かることも多いです。
もっと言うと、中学受験組は数学を高校1年生の間に全範囲終えて、残り2年間は演習にあてられます。
一方、高校受験組は数学を終わらせるのに手いっぱいで、物理や化学は大学受験までに最後まで終わらないということも少なくありません。
大学受験を考えると、中学受験一択です!
メリット③学力がそろっている
受験でふるいにかけられ、ある程度学力がそろっていることも強みと言えます。
授業で簡単すぎる問題を扱うことはなく、難しすぎる問題が出題されることもない。
公立中学では成績の低い子に合わせて授業が進むため、頭のいい子は物足りないように感じることでしょう。
成績が効率よく上がりやすいのも中学受験の魅力ですね!
メリット④荒れている学校が少ない
私立中学は荒れている学校が少なく、勉強に集中できる環境が整っています。
一方、地元の公立中学では、治安が悪い学校も多いですよね。
実際、僕の地元の中学ではトイレのドアが破壊されて何もないと聞きましたし、教室の後ろで花火を始めることもあったそうです。
この話を聞き、僕は中学受験して心底良かったと感じましたね。
私立中学にも素行が悪い生徒はいますが、正直たいしたことはありません。
メリット⑤先生の異動が少ない
私立中学では、先生の異動がほとんどありません。
持ち上がりで3年間、ないし6年間同じ先生に見てもらえるので、性格や苦手な分野も把握してくれます。
卒業後も覚えてくれているような、深い関係になれることが多いです!
メリット⑥校舎や設備がキレイ
校舎や設備がキレイだと嬉しいですよね。
実験室の数やグラウンドの大きさなども整っているので、授業や部活に集中することができます。
また、僕は小学生の時、なぜか学校に自動販売機があることに憧れていました。
それだけでかっこよく思えてモチベーションにつながったので、学校見学の際に色々見てみてください!
メリット⑦強豪校に入学できる
中学受験のメリットは、入る学校の選択肢がとにかく多いこと。
部活動に打ち込みたい子なら、強豪校を選んで入学することも可能です。
全国大会を目指したいなど、やりたいことがある子ほど中学受験がおすすめです。
高校受験に時間を割かれることがない分、6年間フルで部活ができますね!
メリット⑧国際交流が活発
学校によっては、国際交流が活発なところもあります。
夏休みを利用して姉妹校に交換留学に行くといった活動です。
日本の経済は人口とともに縮小していくため、はっきり言って日本だけに留まっていることはできません。
中高生のうちから海外生活に慣れておくことで、お子さんの活躍が世界へと広がると考えるとワクワクしますね!
中学受験するデメリット6つ
次に、中学受験のデメリットについて紹介していきます。
中学受験のデメリット
- モチベーションの維持が難しい
- 小学校の友達と離れる
- 価値観が似る
- 通学時間が長い
- 習い事を続けにくい
- 費用がかかる
順番にみていきましょう。
デメリット①モチベーションの維持が難しい
1つ目のデメリットは、モチベーションの維持が難しいことでしょう。
小学生なんて勉強よりも友達と遊んでいる方が楽しいですよね。
周りの友達が中学受験しないならなおさら。
子供をやる気にさせるには、例えば以下のようなものがあげられます。
- 受験が終われば好きなことに集中できると伝える
- 模試の偏差値アップをゲームのように捉える
- できることが増えたらほめる
- 中学受験する友達を作る
- 学校見学に行く
お子さんの性格を一番把握しているのが親御さんだと思うので、上手く誘導してあげてくださいね!
デメリット②小学校の友達と離れる
2つ目のデメリットは、小学校の友達と離れてしまうこと。
友達なんて中学に入ってからもできるのですが、子供にとっては一大事なんですよね。
別々の学校に進むのが嫌で、時にはふさぎ込んでしまうことも。
- 学校が違っても一緒に遊べる
- 中学では新しい友達と出会える
これらを優しく伝えてあげてください。
中学・高校の友達とは6年間一緒に過ごすので、一生の付き合いになることも多いです!
デメリット③価値観が似る
良くも悪くも、家庭環境が近い子が集まるため、価値観が似通ってしまいます。
思い切ってリスクをとる行動をするような子には育ちにくいでしょう。
とりあえず大学でやりたいことを探す、親が医師だから思考停止で医学部を目指す、など…。
せっかく将来の選択肢が広がっているので、進路について話し合う際はいろいろな道を提示してあげてくださいね!
デメリット④通学時間が長い
徒歩や自転車で行ける地元の中学に比べると、通学時間が長くなるのは仕方ないです。
それなりに疲れますが、友達と一緒にのんびり帰るのも悪くないでしょう。
電車でのマナーも身につきますしね。
お子さんの合格後、近くに引っ越しすることも検討すると良いですが、現実的には難しいかと思います。
1時間程度なら十分通えますので、そこまで気にしなくていいかと思います!
デメリット⑤習い事を続けにくい
中学受験のために、習い事を整理するご家庭は多いです。
週1程度ならできるでしょうが、しっかり打ち込むのは難しいですね。
中学校に入学してから再開できるので、いったんガマンして勉強に専念するのがいいかもしれません。
とはいえ、スキマ時間を上手く活用する工夫ができれば、両立することも可能です。
詳しくは、「中学受験生でも続けられる習い事の条件と両立する3つのコツ【整理せずOK】」で効率的な勉強法をチェックし、習い事との両立を検討してみてくださいね!
デメリット⑥費用がかかる
中学受験の最大のデメリットは、やはりまとまったお金が必要なことですね。
大手集団塾に通うなら、小4からの3年間で総額250万円ほどは見ておくのがいいでしょう。
塾の費用だけで年間50~100万円、そこから塾への交通費や模試代、追加の教材費など。
また、入学後には年間100万円の学費がかかると言われています。
とはいえ、実は奨学金制度が使える学校は意外と多く、学費だけで受験を諦めるのは非常にもったいない。
「私立中学 奨学金」で検索し、補助金制度を活用することも検討してみてください!
中学受験しないメリット8つ
それでは、中学受験せず高校受験をするメリットについて8つ紹介します。
高校受験のメリット
- モチベーションの維持が楽
- 小学校は自由に過ごせる
- 小学校からの友達が多い
- いろいろな家庭の子がいる
- 家から近い
- 授業は基礎的な内容
- 部活動に熱心
- 学費がほとんどかからない
順番に深掘りします。
メリット①モチベーションの維持が楽
高校受験はほとんど皆がするので、モチベーションの維持が簡単です。
中学受験の場合、同じように頑張る仲間がいないとなかなか難しいかと思います。
地域によっては、1クラスに数人しか中学受験しないということもあるでしょう。
どうしても誰かと一緒に勉強しないとダメなタイプなら、高校受験の方が向いているかもしれません。
メリット②小学校は自由に過ごせる
やはり小学校時代を自由に過ごせるのは大きなメリットです。
小学生の間は、塾に通い詰めるのではなく、スポーツしたり友達と遊ぶことの方が大事という親御さんもいるでしょう。
僕も家に早く帰って勉強していたので、うらやましく思います。
中学にあがってからきっちり勉強に切り替えられるのであれば、高校受験でOKです!
メリット③小学校からの友達が多い
公立中学には小学校からの友達が多く、子供にとっては嬉しいものです。
部活が本格的に始まり、授業も忙しくなる中、少しでも仲の良い子がいると励みになります。
高校受験も一緒に頑張れることでしょう。
私立中学の雰囲気に合わず、不登校になってしまう子もいるので、安心できるポイントですね!
メリット④いろいろな家庭の子がいる
様々な家庭環境の子が集まるのも公立中学の魅力です。
ヤンチャな子の多少ルールを破ろうとも仲間を大事にする考え方や、落ち着きのない子とも一緒に過ごすような経験は、大人になってからはなかなか手に入らないんですよね。
とはいえ、こうした体験は公立小学校で十分かとも思うので、お子さんの性格を考え判断してください。
メリット⑤家から近い
公立中学なら自転車でも十分通えます。
部活で遅くなっても帰りやすいので、親としては安心です。
とはいえ、中学生にもなればある程度自分で決められるので、心配しすぎるのも良くないかもしれませんね。
メリット⑥授業は基礎的な内容
公立中学の良いところは、成績の良くない子に合わせてくれるところです。
わからないところは放置せず、わかるまでサポートしてくれます。
私立も補習してくれるとはいえ授業スピードも速いため、ついていけないと補習だらけになってしまうことも…。
応用問題は塾や自力で取り組んでいくといいですね!
メリット⑦部活動に熱心
ほとんどの公立中学では、全員何かしらの部活に入ります。
部活動に熱心な子が浮いてしまうことはないでしょう。
先輩に聞いてみる機会があれば、ぜひ入部を考えている部の雰囲気を聞いてみてください!
メリット⑧学費がほとんどかからない
学費に関しては間違いなく公立中学に軍配が上がります。
とはいえ、学校の授業で物足りない子は塾に通う必要があるため、多少はお金もかかってくるかなという印象です。
学費が浮く分、ガンガン塾に通わせるのもありかなとは思います!
中学受験しないデメリット7つ
それでは、中学受験せずに高校受験で勝負するデメリットを紹介していきます。
高校受験のデメリット
- 内申点が重要
- 公立難関高校への合格が難しい
- 私立難関校は高校での募集が少ない
- 大学受験の難易度が高い
- 地元の公立中学は荒れているかも
- 合わなくても退学できない
- ほぼ全員部活に入る
順番にチェックしていきますね。
デメリット①内申点が重要
高校受験の最大のデメリットは、内申点の影響が大きいことでしょう。
成績が良くても、教師に嫌われるタイプの子だと一気に苦しくなります。
友達の話ですが、テストは満点だったにもかかわらず、家庭科の成績が5段階中3だったという話も聞きました。
もちろん生徒が悪いこともあるのでしょうが、理不尽に成績を下げられることも十分考えられます。
こうした不確定要素を避けるため、中学受験にチャレンジする家庭がいるのも事実です。
内申が良ければ、入試本番で調子が悪くても助けられることもありますが、親にとってはよく分からず不安でしかないですよね。
デメリット②高校受験で公立トップ校合格は難しい
高校受験で公立トップ校に合格することは非常に難しいです。
大学受験の合格実績において、私立中高一貫校に張り合うレベルの公立高校はほとんど偏差値60~70近く。
また、単に成績が良ければいいだけならまだしも、内申点の影響もあるので本人の努力だけではどうにもなりません。
本番で高得点を取るのはもちろんのこと、生徒会や部活で活躍した全教科オール5の生徒たちと戦うと考えると、控えめに言ってもハードルが高すぎます。
あまり知られていないですが、こうした高校受験事情も理解したうえで、中学受験するかどうか決めてくださいね。
デメリット③私立難関校は高校での募集が少ない
中学受験で難関校と言われている学校で、高校募集もしている学校はあまり多くありません。
というのも、高校受験組と中学受験組が足並みをそろえることが難しくなっているからです。
中学受験に理科や社会の知識は公立中学レベルに達し、単元によっては高校受験を越えた内容まで出題されます。
先取り学習をしている中学受験組には、もはや公立中学で成績トップの子でもなかなか追いつけないのです。
中学受験で偏差値40程度だった学校も、高校受験では一気に偏差値60近くになることも…。
可能であれば、中学受験で入学する方が簡単かなと思います!
デメリット④大学受験の難易度が高い
高校受験組は、中学受験組に比べて大学受験も不利になります。
中学受験組は、6年一貫のカリキュラムで先取り学習し、大学受験直前はガンガン入試問題の演習をしていきます。
一方、高校受験組は受験範囲をようやく終えたと思ったらもう受験本番となり、どう考えても厳しいです。
大学受験を考えるなら、やはり中学受験ですね。
デメリット⑤地元の公立中学は荒れているかも
治安が悪く、地元の公立中学が荒れていることもあるでしょう。
教室の後ろで花火を始めることもあると聞きますし、勉強に集中できるような環境ではありません。
親御さん同士のネットワークを活用し、授業がどんな様子か聞いておくのもアリですね。
デメリット⑥合わなくても退学できない
公立中学だと、もしなじめなかったとしても、なかなか学校を変えることができません。
一方、中学受験で入った私立中学なら、最悪退学して公立中学に戻ることもできます。
また、他の私立中学に編入することもできるでしょう。
中学受験しておくと、お子さんに合う学校の選択肢が広がるのがいいですね。
デメリット⑦ほぼ全員部活に入る
多くの公立中学では、部活動に熱心なことが特徴です。
部活ばかりして勉強は大丈夫…?
と心配になる方もいるかもしれません。
私立中学であれば、部活に力を入れている学校もあれば、勉強がメインのところもあるので、ぜひ理想の校風の学校を探してみてください!
まとめ:中学受験するかはメリット・デメリットを把握して決めよう
今回は、中学受験と高校受験のメリット・デメリットについて、徹底的に解説してきました。
僕が挙げたもの以外にも、お子さんの性格や地域によって気になる項目があるでしょう。
同じようにメモに書き出し、それぞれの特徴を比較しながら検討してみてください。
経験者として個人的な意見を言うなら、中学受験して良かったと思っています。
今医学部で学んでいるのも、両親や中高の先生方のサポートがあってこそ。
中学受験を考えるなら、「中学受験の正しい塾選びを3ステップで解説【とりあえず大手では失敗】」を読み、お子さんに合う塾選びから頑張っていきましょう!
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